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高血圧

高血圧

高血圧は、血管の中の圧力が高まる状態であり、わかりやすくいうと水道管の圧が高まって、水道管がミシミシとなっている状態です。

 

血管も水道管と同じで、水道管が地下に張り巡らされているのと同じく、血管は体の中を張り巡らしているのです。

 

水道管は、長い年月使用していると「老朽化」と言って、サビ等により水漏れや詰まりがでてきますが、血管も同じです。

 

血管の水漏れは「出血」であり、詰まりは「梗塞(こうそく)」です。これが、脳の血管に起これば「脳出血・脳梗塞」で心臓に起これば「心筋梗塞」です。

 

いずれにしろ、人間の血管も水道管と同じであり、普段から、負担をかけないような使い方をしないと「老朽化」してしまうのです。

高血圧の原因

高血圧と診断されたら、「なぜ、自分は高血圧になったんだろう?」と疑問に思うでしょう。

 

高血圧になる原因は、大きく分けて2種類あります。

 

一つ目は、「本態性高血圧」です。

 

これは、一言で言うと、高血圧家系です。つまり、高血圧の遺伝子を受け継いだ子供が、年齢を重ねていくうちに、内臓脂肪過多や塩分摂取過多、そして高齢により、血圧が上がってくるパターンです。

二つ目は、「二次性高血圧」です。

 

これは、一言で言うと、他の病気の影響で高血圧になることです。

 

「他の病気?」

 

そうです。例えば、ホルモン異常です。人間の体の中では、様々なホルモンが分泌されており、それぞれ大事な役割を果たしています。

 

その中に、血圧を調節する役割のホルモンがあり、そのホルモンが何らかの原因で過剰に分泌されるような状態になると、血圧が上がってくるのです。

 

血圧をあげる代表的なホルモン異常に、「副腎皮質ホルモン」の過剰分泌があります。

 

「副腎」とは、腎臓の上に張り付くように存在する小さな臓器ですが、そこの一部である「副腎皮質」から出ているホルモンが悪さをするのです。

 

その他にも、いくつかありますが、一番原因として多いのが、副腎皮質から分泌される「アルドステロン」です。

 

このアルドステロンが、知らないうちに過剰に分泌され、高血圧になるパターンが以外と多いのです。

 

「本態性高血圧」に比べて「二次性高血圧」の方が、体に悪いことが分かっているため、高血圧と診断されたら、まずどちらのタイプなのかを見極める検査が必要です。

 

薬を飲んでからでは、ホルモンの正しい数値が出ないため最初が肝心です。

高血圧の診断の流れ

まず最初のステップは、あなたの血圧が「あなたは、高血圧症です」と言われる基準を満たすかです。

 

診察室、もしくは健診会場で、上の血圧が140mmHg以上、または、下の血圧が90mmHg以上の場合です。さらに、家庭血圧で、上の血圧が135mmHg以上、または、下の血圧が85mmHg以上の場合もです。

 

次のステップでは、診察室もしくは健診会場で測定した血圧が、高血圧と診断された人のうち、その血圧が「本物?」かどうかを見極める必要があります。その判断をするのが「家庭血圧」です。

 

診察室や健診というストレス下においてのみ血圧が上がるタイプがあり、それを「白衣高血圧」といい、いわゆる「ニセ高血圧」です。

 

完全に「ニセ」ではありませんが、「ほぼニセ」と考えて大丈夫です。

 

しかし、長年の追跡調査では、白衣高血圧も血管に負担がかかる事が分かっていますので甘くみてはいけません。

 

定期的に家庭血圧を測定し、少しでも上昇するようなら治療も考える必要があります。

 

逆に、診察室で測定した血圧が、高血圧の基準に達しなかったが、家や他のところで測定すると明らかに高い血圧が出るタイプは、「仮面高血圧」と言って、本物です。

 

「普段、家で高いけど、病院で測ったら低かったからセーフ!」ではないのです。つまり、高血圧の評価は、診察室や健診会場の一発勝負で決めるのではなく、環境を変えて測定することが大事なのです。

高血圧の原因を探れ!

本物の高血圧であることが分かったら、次のステップは、高血圧の原因を見極めます。

①本態性高血圧

②二次性高血圧

 

どちらかを見極めるために、大事な検査があります。それは「ホルモン検査」です。

 

ホルモン検査は、血液検査で行いますが、通常の血液検査と違って条件があります。その条件は、「朝、絶食、ベット上安静20分」です。

 

この条件のもと、血液検査を行い、正確なホルモンの数値を調べます(同時に腎機能等も調べます)。これで、正しい高血圧の診断となります。

高血圧の重症度


高血圧の診断の後は、あなたの高血圧はどのレベルの高血圧かを見極める必要があります。

 

高度な高血圧であればあるほど、二次性高血圧の疑いも強くなるため、ホルモン以外の原因も調べる必要があります。

 

また、血管への負担も強く、どれだけ、血管が危険な状態にあるかも調べなければなりません。

どんな危険 !?

血管の危険な状態がもたらす病気で有名なのが、心筋梗塞・脳梗塞・脳出血です。

 

正常血圧の人に比べて、危険レッドゾーンの人は、深く入れば入るほど、倍々でリスクが上がっていきます。

 

このような状態にならないかどうかを見極める検査として「頸動脈エコー」があります。

高血圧からの動脈硬化とは・・・

生活習慣病(糖尿病・高血圧・脂質異常等)は、最終的に動脈硬化(血管がボロボロになるイメージ)により、血管が詰まったり、破けたりします。

 

脳や心臓の血管が詰まるのは、脳梗塞や心筋梗塞です。血管が破けると、クモ膜下出血や大動脈破裂等です。いずれも、命にかかわる大変な病気です。

 

これらは、全て、長い年月をかけて血管に負担がかかり、じわじわ動脈硬化が進んでいった結果として現れるのです。

 

イメージで言うと、新品の水道管に、汚れた水や過度な水圧が長い期間かかり続けることにより、さびついたり、ひび割れを起こす現象とよく似ています。


このような、水道管の老朽化は、水道会社の方々により日々点検され修理されますが、人間の血管は、そう簡単に点検できません。

 

「血液検査でわからないのか?」と思うかもしれませんが、残念ながらわかりません。会社で受ける健康診断や標準的な人間ドックでもわからないのです。

現代の医学の中で、血管の状態を詳しく調べるためには、カテーテル検査や造影剤を使用したCT検査が必要です。

 

しかし、全く無症状の人に、これらの検査をするのは、体の負担や費用を考えると、現実的ではありません。

 

それでは、自分の血管が、今、どのような状態なのかを知るためには、どうすればいいのか?

 

それが、「超音波(エコー)検査」です。

頸動脈エコー検査(動脈硬化を見る)

「超音波(エコー)検査」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

 

簡単に言うと、超音波(エコー)を放出する器具を体に当てて、体の中を見る検査です。

 

妊娠した時に、お腹に機械を当てて赤ちゃんを見るのも「超音波(エコー)検査」です。

 

レントゲン検査やCT検査も体の中を見る検査ですが、放射線を放出するため、体にはやや負担がかかります。そのため、何回やってもいい検査ではありません。

 

一方、超音波(エコー)は無害なため、体に優しい検査であり、何回やっても大丈夫です。検査自体も痛くもかゆくもありません。

高血圧の治療の流れ

①高血圧の原因が『本態性』か『二次性』なのかを見極める

 

②『二次性』の疑いがあれば、精密検査やその治療に進む

 

③『本態性』であれば、高血圧の重症度や、パターンにより薬を選択する(高血圧の場合、食事療法や運動療法の効果は少ない)

 

④管理目標値に達するまで薬の調整をする

 

⑤季節によっても血圧は変動するため、状況によっては、季節により薬の減量や中止もありうる

 

⑥生活習慣の改善により、血圧が下がってきた場合は薬の中止もありうるが、慎重な総合的な判断が必要

 

 

良好な血圧コントロール率は30%

現在、高血圧の治療で問題になっているのが『ハイパーテンション・パラドックス』と言って、高血圧の薬を飲んでいるにもかかわらず、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、大動脈解離等の循環器疾患が起きてしまう現象のことです。

 

これは、ひとえに、血圧コントロールがうまくいってない。薬を飲んだだけで満足していることが原因です。

 

我が国では、良好な血圧コントロール率は30%程度に過ぎません。

 

血圧は、病院で測定した『診察室血圧』よりも、自分の家で測定して『家庭血圧』の方が、将来の大きな病気と強く関連していることがわかっています。つまり、大事なのは、家で血圧を普段から測定することです。

 

血圧日記を必ずつけましょう!

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