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糖尿病の合併症・併発症

糖尿病の合併症・併発症

糖尿病の一番恐ろしいところは、合併症を引き起こすことです。

 

三大合併症である「神経障害」「網膜症」「腎症」は、最悪の場合、足切断、失明、人工透析になってしまいます。

 

しかも、このような合併症は、糖尿病の長い年月をかけて引き起こされるため、晩年になってつらい思いをするのです。

 

そうならないように、血糖コントロールだけではなく、合併症の早期発見・早期治療が重要になってきます。

 

また、心筋梗塞や脳梗塞、がんや感染症等、糖尿病であるがゆえになりやすい病気もあり、これらは「併発症」と言われます。

 

これらに関しても、早期発見・早期治療が重要です。


図は、糖尿病の生涯を描いたものです。

 

健康→前糖尿病→糖尿病→合併症・併発症→永眠と時が流れて行く中で、いかに合併症・併発症を起こさないことが、元気で老後を過ごすうえで大事なことかということです。

高血糖の記憶

若い時に糖尿病を放置するとどうなるか?

 

早期の治療を怠った場合は、後できちんと糖尿病治療をしたとしても、未来の合併症につながることがわかっています。

 

これは、高血糖を放置していた時期の影響が後々まで体に残ってしまうということです。これを「メタボリックメモリー(高血糖の記憶)」といいます。別な言い方で「高血糖の呪い」とも言われています(ちょっと怖いですが…)。


 
つまり、糖尿病治療は、後からきちんとやればいいのではなく、いかに、高血糖の期間を短くするかが重要なのです。歳をとってからではダメなのです。

神経障害の早期発見検査

体中に神経は走っていますが、糖尿病で障害される神経は、主に足の神経です。

 

基本的には、両足のしびれや違和感が症状としてでてきます。

 

しかし、この状況は、もうすでに神経障害が完全に起こっている状況を意味します。

 

糖尿病の早期に一時的な症状として出ることもありますが、いずれにしろ、神経細胞に明らかな障害がでています。

 

一方、自覚症状が出てなくても神経障害がじわじわ進行している場合もあり、早期発見・早期治療が重要になってきます。

 

以前までは、神経障害の検査は、大掛かりな「神経伝導速度検査」というものしかなく、それができるのは一部の施設に限られてました。

 

しかし、最近では、簡易で行える神経障害の検査機器がでてきました。

足に走行している神経の1つである腓腹神経に電気刺激を与え、神経に興奮が伝わる速度(神経伝導速度)と大きさ(活動電位振幅)を測定し、神経障害の程度を簡便に検査する検査装置です。

 

くるぶしの付近に本体を当てて、操作ボタンを押し、10~15秒待つことで、測定結果を知ることができるようになっています。

 

当院でも、糖尿病専門クリニックとしてこの検査を導入し、定期的に行うことで、神経障害の早期発見・早期治療に努めています。

腎症の早期発見検査

腎臓は、尿を作るところですが、尿は何のために作られているかと言うと、体の中で産生された老廃物を体外に出すためです。

 

そのため、腎臓の機能が悪化してしまうと、体の中が老廃物だらけになってしまい「尿毒症」という状態になってしまうのです。

 

腎臓の機能の悪化は「腎不全」と言われ、尿毒症が出るようになれば『人工透析(人工的な腎臓)』をやらなければいけないのです。

 

糖尿病は、多くの病気の中で、一番人工透析が必要になる原因となっています。

そのため、いかに人工透析にならないようにするかが重要です。

 

腎臓の機能は、健康診断や人間ドックでは、血液検査で調べますが、残念ながら、糖尿病腎症の早期発見にはつながりません。

 

血液検査で異常が出てきた頃には、かなり進行している状態です。糖尿病腎症の早期発見には、『尿中微量アルブミン検査』が必要です。

 

これは、「アルブミン」という、普段、尿に出ないタンパク質が、検出されないかを見る検査です。これを、定期的に行うことで、糖尿病腎症の早期発見につながるのです。

 

当院でも、定期的にこの検査を行い、糖尿病腎症の発症を早期に発見し、早期に治療することにより、腎不全を予防し、人工透析にたどり着かないようにしています。

網膜症の早期発見検査

網膜症は、早期の段階では、自覚症状はありません。視力が低下したり、視野が狭くなったりすることもまずありません。

 

多くは、じわじわ進行し、最終的に「眼底出血」を起こし、失明に至ってしますのです。

 

このように、糖尿病網膜症は、知らないうちに進行するため、早期発見・早期治療するために定期検査が必要です。

 

網膜症の有無は、「眼底検査」というもので調べます。簡単に言うと、「眼底」という目の奥にある、光を投射する膜です。カメラに例えると、カメラの中にあるフィルムみたいなものです。

 

この膜に、細い毛細血管が張り巡らされていて、血糖コントロールが悪いと、血管が老化し、つまったり、破けたりしてしますのです。

 

これが「眼底出血」の正体です。

 

眼底検査は、年に1回は眼科で受けるようにしてください。

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